2017年01月04日

謹賀新年

 新年明けましておめでとうございます。
 今年は横須賀で初めての年越し、物干し台から御来光を拝み、佳き元旦となりました。

 三が日はお屠蘇気分でのんびり英気を養いまして、四日の仕事初めからフル回転で働くことができそうです。これも皆様方のおかげと御礼申し上げます。
 昨年末の仕事などは、合間を見つつ、少しずつ告知して参ります。
 
 いずれ様におかれましても、本年もお引き立て賜りますよう、伏してお願い申し上げる次第です。
 ブログを読んでくださる皆々様の御多幸と弥栄を祈念申し上げ、新年のご挨拶と致します。

【お年賀画像】その名もめでたき浦賀の郷社 叶神社
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【お知らせです。の最新記事】
posted by 門賀美央子 at 10:00| Comment(1) | お知らせです。

2016年11月02日

京極夏彦さんインタビューと『虚実妖怪百物語』人物紹介

 また、この世のものならざる分厚い本が生まれちゃいましたね……。
 京極夏彦さんの新刊『虚実妖怪百物語』(虚実とかいて「うそまこと」と読みます)は、原稿用紙換算にして1900枚という超大作、しかもほとんどの登場人物が実在しているという異色の作品で、雑誌『怪』で連載中から妖怪界隈では話題でした。
 三冊の分冊(序・破・急)で出たとはいえ、一冊ごとのボリュームもなかなかでして、トータルだとなんでも「京極小説史上最長」なんだとか。
「ぐりとぐら」史上じゃないですよ。京極小説史上ですよ。
 それでなくても煉瓦本だの凶器本だのを散々出してきた京極さんの最長って、どんなけやねん、という。
 そんなわけで、新たな伝説を生み出した京極さんのインタビューと、『虚実妖怪百物語』の人物紹介を今月号の『本の旅人』でやりました。

本の旅人 http://shoten.kadokawa.co.jp/mag/tabibito/
(11月2日時点ではなぜかまだ10月号が紹介されています)

 出版界隈にも妖怪界隈にもご縁のある私としては「出てくる人、みんな知ってる」という空前絶後の読書体験をしたわけですが、読んでいて何に閉口したかって、どの人もこの人も普段そのまんまなのが、なんともはや。「あ、この人、こんな場面では絶対こういう言うだろうな」と納得してしまう。かく言う私も一言だけセリフがありまして、それ読んだ時に自分で思いましたもん。「あ〜、この状況ならこれ言うわ、私」って。
 ですから、作中、どんなに奇矯な発言や行動をする人がいてもわりとそのまんま、というか、物語はフィクションですが、登場人物のリアクションはほぼノンフィクションと考えてよろしいかと思います。まさに虚実。
 それから、もう一点、読むときのお楽しみを紹介いたしますと、本書には多くの小説家が登場し、妖怪と遭遇してひどい目にあったり、あわせたりするわけですがそこで起こる「事件」はそれぞれの著作にちょっとひっかけてあるようなのです。よって、大好きな作家さんが出てきたら、どの本がネタ元か探ってみればおもしろいかもしれません。ほかにもオタクほど楽しめる仕掛けもたくさんありますので、一度物語として楽しんだあとは、じっくりテクスト分析してみるのも一興ではないでしょうか。

 まず『本の旅人』で著者インタビューと登場人物紹介を読んで、軽く予習してから作品に入れば何も怖いことはありませんので、今秋の読書のおともに、ぜひ。わたくしのか弱い腕に分厚い本はつらすぎて……という方は、電子書籍も出ているので安心です。

『虚実妖怪百物語 序』
http://shoten.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=321605000377

『虚実妖怪百物語 破』
http://shoten.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=321605000379
『虚実妖怪百物語 急』
http://shoten.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=321605000397

 
posted by 門賀美央子 at 20:00| Comment(0) | こんな記事を書きました。

2016年10月27日

サイエンスは最高のエンターテインメントやDay! その5

 その5まで引っ張ってしまった「サイエンスは最高のエンターテインメントやDay!」レポ、今日こそ最終です。
 
 最後に登壇されたのは、JAMSTECの高井研氏でした。
 阿部寛系列のちょっと懐かしい目のハンサム、しかも知る人ぞ知る破壊力抜群のトーク・スキルで多くのファンを持つ高井さん、この日も最前列に陣取っておられる方々がたくさんいらっしゃいました。

 演題は「横須賀から世界の、地球外の、海と生命を求めて」。
 お話の柱は二つ、一つは横須賀市民に向けた「JAMSTECをはじめ、海洋研究の本拠地が市内に複数あることに誇りをもってください」というメッセージ、そしてもう一つは「生命誕生の秘密に迫るおもしろさ」だったように思います。
 で、以下は、文系脳で理解できたギリギリを雑にまとめた内容になりますが。

 従来、太陽エネルギーがあったから生命が生まれたという理解が優勢だったが、現在では生命誕生は太陽エネルギーの届かない深海にある熱水噴出孔の近くだったとの説が有力になっている。
 こうした、生命にとっては限界に近い場所を複数研究することで、生命が存在、増殖しうる諸条件が明確になった。つまり、この範囲内であれば生命の存在は可能、という指標がしっかりと定まったのである。これがわかれば話ははやい。無駄な観測をせずにすむ。
 さて、結局のところ、生命は海で誕生している。つまり、上記の諸条件の範囲に収まる海のある星には、太陽エネルギーに依存しない生命が発生している可能性がある。
 表面を固い氷で覆われている土星の第2衛星エンケラドスに、探査機カッシーニが宇宙に噴き出す間欠泉を発見した。つまり、氷の下には海が広がり、海底に熱水活動があるこはほぼ確実になっている。もし、熱水活動があれば、生命が存在している確率は極めて高い。そして、その痕跡はエンケラドスの間欠泉にサンプルリターン可能な探査機を飛ばすことで見つけることができるのである。つまり、人類は、はじめて地球外生命体と遭遇することができるのだ。
 こんな素晴らしい計画が、500億から1000億円もあれば実現可能なのである。たったの500億から1000億円! みなさん、お金を出して応援してください!

 ざっくり過ぎる上に、まとめてしまうと妙に堅い話になってしまいましたが、スライドには美味しんぼのコマあり、宇宙戦艦ヤマトやドラゴンボールのカットありで、それはもう愉快なお話だったわけです。たしかにエンターテインメントでしたよ、あれは。
 実は、高井さんには以前一度インタビューをさせていただいたことがあり、その際にも濃い話をいろいろと聞かせてもらいました。その中で一番印象に残っているのが、生物学は地球外生命体の発見・研究を以て、はじめて真に学問たりうる分野になるのだ、とおっしゃっていたことなんです。
 曰く、地球上の生命をいくら研究したところで、それは地球限定のローカル学問に過ぎず、物理法則のように宇宙普遍の真理かどうかはわからない。科学は普遍の真理を発見してこそ、科学である、と。
 本当に頭のいい人は視座がそもそも違うのだ、と痛感した言葉でした。
 生命とは何ぞや。これは、人が生き物である以上、追い求めざるをえないテーマでしょう。そこに肉薄できる資料が、がんばれば手の届くところにあるとしたら……。そりゃ、科学者じゃなくても、欲しくなりますよね。
 深海と宇宙。どちらも一般の人間はなかなか行けないところです。だからこそ、代わりに行ってくれる人を応援しないと。まあ、エンケラドスへの有人飛行は、私が生きているうちは無理でしょうけど。

 講演終了後は20分の休憩をはさんで、各地の科学学習施設や博物館などで上映されている短編フィルム「Eternal Return」が鑑賞会がありました。
 公式サイトはこちら→ http://www.live-net.co.jp/er/
 宇宙開闢から地球の創造、生命誕生までの百数十億年にわたる気の遠くなるような歴史を、30分ほどでコンパクトに、かつ抒情的にまとめた美しい映像資料でした。星が死んで、生命が生まれる……。ああ、999だなあ(小並感、二度目)。
 
 今回のような講演会は開催されること自体が一般の人にはなかなか伝わらないため、動員には難あり、だったかもしれません。ですが、(規模の大小はともかく)同じ場所で同じ時期に開催することを繰り返していけば来場者も増えるのではないでしょうか。とにかく、おもしろいのですから。
 できれば、また横須賀で、こうした催しがみられることを期待しています。
posted by 門賀美央子 at 20:00| Comment(0) | 行ってきました。