2016年11月02日

京極夏彦さんインタビューと『虚実妖怪百物語』人物紹介

 また、この世のものならざる分厚い本が生まれちゃいましたね……。
 京極夏彦さんの新刊『虚実妖怪百物語』(虚実とかいて「うそまこと」と読みます)は、原稿用紙換算にして1900枚という超大作、しかもほとんどの登場人物が実在しているという異色の作品で、雑誌『怪』で連載中から妖怪界隈では話題でした。
 三冊の分冊(序・破・急)で出たとはいえ、一冊ごとのボリュームもなかなかでして、トータルだとなんでも「京極小説史上最長」なんだとか。
「ぐりとぐら」史上じゃないですよ。京極小説史上ですよ。
 それでなくても煉瓦本だの凶器本だのを散々出してきた京極さんの最長って、どんなけやねん、という。
 そんなわけで、新たな伝説を生み出した京極さんのインタビューと、『虚実妖怪百物語』の人物紹介を今月号の『本の旅人』でやりました。

本の旅人 http://shoten.kadokawa.co.jp/mag/tabibito/
(11月2日時点ではなぜかまだ10月号が紹介されています)

 出版界隈にも妖怪界隈にもご縁のある私としては「出てくる人、みんな知ってる」という空前絶後の読書体験をしたわけですが、読んでいて何に閉口したかって、どの人もこの人も普段そのまんまなのが、なんともはや。「あ、この人、こんな場面では絶対こういう言うだろうな」と納得してしまう。かく言う私も一言だけセリフがありまして、それ読んだ時に自分で思いましたもん。「あ〜、この状況ならこれ言うわ、私」って。
 ですから、作中、どんなに奇矯な発言や行動をする人がいてもわりとそのまんま、というか、物語はフィクションですが、登場人物のリアクションはほぼノンフィクションと考えてよろしいかと思います。まさに虚実。
 それから、もう一点、読むときのお楽しみを紹介いたしますと、本書には多くの小説家が登場し、妖怪と遭遇してひどい目にあったり、あわせたりするわけですがそこで起こる「事件」はそれぞれの著作にちょっとひっかけてあるようなのです。よって、大好きな作家さんが出てきたら、どの本がネタ元か探ってみればおもしろいかもしれません。ほかにもオタクほど楽しめる仕掛けもたくさんありますので、一度物語として楽しんだあとは、じっくりテクスト分析してみるのも一興ではないでしょうか。

 まず『本の旅人』で著者インタビューと登場人物紹介を読んで、軽く予習してから作品に入れば何も怖いことはありませんので、今秋の読書のおともに、ぜひ。わたくしのか弱い腕に分厚い本はつらすぎて……という方は、電子書籍も出ているので安心です。

『虚実妖怪百物語 序』
http://shoten.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=321605000377

『虚実妖怪百物語 破』
http://shoten.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=321605000379
『虚実妖怪百物語 急』
http://shoten.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=321605000397

 
posted by 門賀美央子 at 20:00| Comment(0) | こんな記事を書きました。